日本兵最強として名高い元アンガウル島守備隊の船坂弘。
彼は戦後剣道を通じて作家の三島由紀夫と親交があつた。
その縁で船坂が「英霊の絶叫」といふ本を書いた時、序文を三島由紀夫に書いてもらつた。
後に序文のお礼にと船坂は三島由紀夫に日本刀関の孫六を贈るのだが、孫六を気に入つた三島は市ヶ谷駐屯地で切腹する時の介錯にこれを用ゐた。
この二人の親交ややり取りについて、三島由紀夫の切腹後に船坂自身が書いた本がある。
関ノ孫六といふ本だ。
名前の通り介錯に使はれた刀が話の中心になつてゐる。
刀を渡そうとしても遠慮してなかなか受けとらない三島と船坂のやりとりや、普段の稽古の様子等が細かく記されてゐる。
二人の性格などがわかる非常に面白い本だ。
おすすめです。