日本の奇跡

日本刀とは日本固有の技術によつてつくられる刀剣のことだ。

我が国は大昔から鉄や刃物に関する技術では世界一であり、日本刀にはその独自の技術がつぎ込まれてゐるのである。

 

さらに、日本刀は刃物としての性能のみならず、鉄の芸術とでもいふべき美しさも持つ。

それは日本刀独自の折り返し鍛練と焼刃によつて生じる独特の地鉄や刃文の美しさであるが、そのどちらも切れ味と強靭さを追い求めし古人の努力の結晶であらう。

 

だが、ここで一つ質問したい。

何故我々は地金や刃文を観賞できるのか。

 

 

 

それは研師の高い技術と、刀用の砥石のおかげである。

このどちらもそろわずして、日本刀の観賞は体佩以外不可能である。

 

 

特に、砥石に秘密がある。

刀剣の研ぎに使はれる砥石は内曇砥石をはじめとした高価な天然砥石であり、その砥石が日本刀の刃中の働きを見せてくれるのだ。

普通の砥石では絶対に見ることはできない。

どんなに細かい砥石をつかつても鏡面になるだけだ。

 

 

そして、初めて知つた時は大変驚いたが、なんとその内曇砥石は日本だけ、しかも京都でしかとれないさうなのである。

これは奇跡である。

 

高い技術力とわづかな天然資源の両方ともが世界でただ日本にのみ存在するのだ。

かういふ事を日本人は誇るべきぢやないのか。

 

 

つまらん外人観光客共にやたらと聞くな。

最近外人に「日本の凄いところは?」とか聞くテレビ番組がやたらとあるが。

自分の国を誇りに思ふのは大事だが、外人に聞くと自分で自分を誉めてもらふよう仕向けてるみたいで見てて痛々しい。

 

それに俺は外人などに日本の本質は理解できんと思つてゐる。